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昭和アニメの代名詞「ファーストガンダム」の凄さを再発見。リアル視聴世代のおじさんが語る機動戦士ガンダムとは

2023年7月2日 機動戦士ガンダム 水星の魔女が最終回を迎えました。

かなり良い最終回だったので、twitterでも大盛りあがり。トレンドを水星の魔女関連で独占してました。

主要キャラが死ぬこともなく、スレッタとミオリネも無事家族になって、みんなそれぞれ祝福されるハッピーエンド。まさに令和のガンダムって感じでした。

1970年 昭和45年生まれのおじさん的にもスレッタ、ミオリネよかったね とほっこり。

しかし、1970年 昭和45年生まれのおじさんはふと思った。

ガンダムってこんなだっけ?と。そして、昭和時代のファーストガンダムを思い起こし、その凄さを再認識した。

昭和ロボットアニメの代名詞 ファーストガンダムを知らない世代に、リアル視聴していたファーストガンダム世代のおじさんがその凄さをまとめます。

ファーストガンダム とは

ファーストガンダムとは、ガンダムシリーズ1作目の機動戦士ガンダムのこと。初代ガンダムとよばれることも。

1979年に全43話で放映されました。

Uchi

当時 9歳だった。ガンプラブームのときは小6ぐらいだったわい。

ファーストガンダムここが凄い

ファーストガンダムの凄さは色々あれど、わたしが思う機動戦士ガンダムってここがすごいよね がこちら。

  • 国家間の戦争 リアリティ
  • 死 
  • 漢・名言 おとこくさい名言多い
  • 復讐劇 戦争+復讐 
  • モビルスーツ 兵器の系譜

国家間の戦争 リアリティ

「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。」

この有名なオープニングアナウンスから始まる機動戦士ガンダム。

地球規模の課題解決のため宇宙に出た人類。しかし、このことが人類を地球と宇宙とに分断。戦争の火種となってしまいます。

地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。

宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。

この一ヶ月あまりの戦いでジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。

人々はみずからの行為に恐怖した。戦争は膠着状態に入り、八ヶ月あまりが過ぎた

(C)創通・サンライズ

そして地球と宇宙都市サイド3 ジオン公国とのあいだに戦争が勃発。しかも1ヶ月たらずの戦いで総人口の半分が死ぬという、とてつもない事柄を、サラッと冒頭ナレーションで語ります。

はじめこそ、偶然ガンダムに乗り込んで敵のザクを撃破する、というスーパーロボットアニメ的な展開。しかしストーリーが進むにつれ、ガンダムは地球連邦軍の部隊に配属され戦争の渦に巻き込まれていきます。

ニューヤーク作戦、オデッサ作戦、ベルファスト、ジャブロー、ア・バオア・クーと数々の作戦に従事。

(C)創通・サンライズ

オデッサ、ジャブローやア・バオア・クーは戦局を左右する作戦のため地球連邦軍、ジオン軍とも投入されたモビルスーツの数が凄まじい。

そしてあっけなく破壊されていくモビルスーツたち。そこには完全無敵のヒーロなど存在しない。

国家 vs 国家の戦争であることがヒシヒシと伝わってきます。

白い悪魔と恐れらたガンダムですら、全体の戦局からみれば一部隊所属の一モビルスーツにすぎない扱い。

オレが地球を守ってやるせ! というスーパーロボットとはまったく違うんです。

(C)創通・サンライズ

たしかにガンダムは、戦争の局面をひっくりかえすほどの性能をみせます。しかし、それでも全体からみれば一部なんです。

第18話「灼熱のアッザムリーダー」で、アムロ・レイはジオン軍の鉱山基地を発見。ガンダム1機でこれを破壊し、どんなもんだい と悦にひたります。

しかし、この鉱山基地は、ジオン軍全体からみれば、ほんの1部、ひとつの鉱山基地にすぎないことを知り落胆します。

ただただ国家間戦争のスケールのでかさが伝わってくる。そして末端の兵士には、戦争の全体像が見えにくい、というリアリティさ。

ファーストガンダムが、それまでのスーパーロボットモノとは違う ということが子供でもわかった。

Uchi

ミノフスキー粒子、ニュータイプ理論など、子供には小難しい部分もあった。

補給部隊、スパイ活動も描かれる

当時のロボットアニメと違ってファーストガンダムでは、しっかりと戦争の裏方、補給部隊やスパイ活動にもしっかりと焦点をあてています。

多少ぶっ壊れても次の週には直ってるスーパーロボットとは違い、故障もすれば修理も必要、そのための部品供給も必要なんです。

(C)創通・サンライズ

マチルダさんが命をかけた補給部隊の活躍、幼い弟妹を守るためホワイトベースに単身乗り込む女スパイ ミハル、地球連邦軍の中枢まで潜り込んでいたエルラン中将など。

子供のころは、なんでこんな補給とかスパイの回があるんだよ、もっとドムだせよ。と思ってた。

でも大人になってあらためてみると補給部隊やスパイ活動など、しっかりと戦争の側面も描くことで、物語に深みをあたえてるんですね。

これ子供向けアニメ?って思えるくらいしっかり戦争してるのがファーストガンダムなんです。

昇進や左遷、配属も描かれるリアリティさ

シャア・アズナブルは、ガルマ・ザビを戦死させたことの責任をおい左遷される。この時期に場末の酒場でギレン・ザビの演説をきき「坊やだからさ」とつぶやく。

(C)創通・サンライズ

また軍人でなかったアムロ・レイは、物語中盤で正式に地球連邦軍に配属され階級がつく。望んで軍人になったわけではないので戸惑うアムロ。

そして戦死したリュウ・ホセイの2階級特進との、あまりにそっけない軍人の発表にアムロ・レイはキレる。

よっし、オレがジオン軍をぶっつぶしてやる! とならないのがファーストガンダム。

普通の少年が戦争に巻き込まれて軍人にさせられて、まわりの人間が死んでいったら、おそらくみんなアムロ・レイみたいになるのではなかろうか。

左遷や戦死して昇進、配属など、どこまでもしっかりと戦争を描いているのがファーストガンダムです。

ファーストガンダムは、国家間の戦争を描いてるので、当然ながら人も死んでいきます。敵も味方も、主要メンバーであっても死んでいきます。

ファーストガンダム戦死者

  • リュウ・ホセイ
  • スレッガー・ロウ
  • マチルダさん、ウッディ大尉
  • ティアンム、ワッケイン、レビル将軍
  • ミハル
  • ジーン、スレンダー
  • ガイア・オルテガ・マッシュ(黒い三連星)
  • ランバ・ラル、クラウレ・ハモン
  • マ・クベ
  • ガルマ・ザビ、キシリア・ザビ、ドズル・ザビ、ギレン・ザビ、デギン・ソド・ザビ
  • ララァ・スン

ファーストガンダムでは、かなりの数の登場人物が死にます。

おそらく日本の50代おじさんの8割は、これら登場人物の死に様を熱く語れると思う。

(C)創通・サンライズ

とくに国力の乏しいジオンは、戦争終盤あたりは新兵も多く「お母さん」と叫びながら撃墜される名もなきパイロットの姿もあります。

Uchi

学徒動員の兵士がたくさん投入されました。宇宙世紀の話です。

さらには連邦の最終兵器ソーラ・レイによって双方の艦隊が星屑のように消滅、数多くの将兵が宇宙に散っていきます。

子供の頃はやっぱり、マチルダさんのシーンが印象に強かった。そのあとのアムロ・レイの「マチルダさん マチルダさん マチルダさん マチルダさん マチルダさーーーぁん」もすごかったし。

(C)創通・サンライズ

大人になってあらため見ると、部下やハモンさんの生活向上のために出世するのだ、というランバ・ラルにおじさんはグッときますね。こういう上司を持ちたいものです。

ファーストガンダムは、戦争の無情さ非情さ、そして死を隠すことなく平等に描いてます。

漢・名言の数々

ファーストガンダムの舞台は戦場。登場するキャラは必然的に男性比率が多めです。

漢と書いてオトコと呼びたくなる個性際立つ男性キャラが多い。そんな漢たちが発する言葉には名言が多いです。集めてみました。

「ジオンとの戦いがまだまだ困難を極めるという時、我々は学ぶべき人を次々と失ってゆく。寒い時代だと思わんか?」ワッケイン。

「それが甘ったれなんだ!!殴られもせずに一人前になった奴がどこにいるものか!!」ブライト・ノア

「ジオン公国に栄光あれーっ」ガルマ・ザビ

「坊やだからさ」シャア・アズナブル


「ランバ・ラル。戦いの中で戦いを忘れた」ランバ・ラル

「そうね。戦争という破壊の中でただひとつ、物を作っていく事ができるから、かしらね」マチルダ・アジャン

「男子の面子 軍の権威  それが傷つけられても  ジオンが勝利すればよろしい」 キシリア・ザビ

ジオンの栄光、この俺のプライド、やらせはせん、やらせはせん!やらせはせんぞーっ!」 ドズル・ザビ

あえて言おう、カスである、と」 ギレン・ザビ

悲しいけどこれ戦争なのよね」 スレッガー・ロウ

個人的にはキシリア・ザビのいかにも頭のキレる冷徹な物の言い方が好きです。

復讐劇

そして物語をよりスリリングに複雑にしているのが、シャア・アズナブルの復讐劇

シャア・アズナブルの本名は、キャスバル・レム・ダイクン。

父親をザビ家に殺されたキャスバルは正体を隠しシャア・アズナブルとしてジオン軍に入隊。みるみる昇進しザビ家の信頼を得ていきます。

(C)創通・サンライズ

ガルマ・ザビを謀殺し、最後、ア・バオア・クーから脱出を図るキシリア・ザビに敬礼をした後、バズーカで頭部を吹き飛ばすという派手な復讐劇を完遂させます。

アムロ・レイと一緒にホワイトベースに乗艦していたセイラ・マスは、キャスバルの妹。本名をアルテイシア・ソム・ダイクン。

テレビ版アニメでは描かれていない兄妹のおいたちは、漫画「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」に詳しく描かれています。

モビルスーツ

そして単なる兵器としてのモビルスーツの描かれ方。

それまでのロボットといえば、地球侵略をもくろむ謎の敵対勢力が1話に1体巨大ロボマシーンでせめてくる。それを撃退してポーズを決める、のがスーパーロボットアニメの定番だった。

(C)創通・サンライズ

ガンダムでは、コロニーの偵察にむかう兵器ロボット ザク。そしてコクピットから出てきたのは人間のパイロット。そしてコロニー内で攻撃を開始するザク。そしてザクの攻撃から逃げるのは、これも人間。さらにはガンダムをうまく動かせないアムロ・レイ。

ほんとに第1話をリアルでみたときは衝撃的だった。ザクもかっこいいというより、見たことのないロボットの姿だったのでよくわからなかった。

そしてパイロットがザクのお腹あたりから出てきたこと。当時のロボットといえば、頭がコクピットの定番位置だった。えっ、そこ?って思ったのを覚えてる。

そのあと「ザクとは違うのだよ。ザクとは」のグフや黒い三連星のドム。などが登場。戦争のために開発されたロボット兵器。という認識を子供ながらにもった。

当時小学生だったわたしは、ゼロ戦など軍用機マニアだった。ゼロ戦→烈風と兵器の進化、後継機種があるように、ザク→グフと兵器の正当な進化系譜をアニメで感じられたのがファーストガンダムだった。

戦争とはなにか を教えてくれるファーストガンダム

ふつうの少年、少女が戦争に巻き込まれていくさまを描いた戦争アニメ。それがファーストガンダムだ。

テレビ放映後にガンプラブームが巻き起こり、モビルスーツのかっこよさが注目され脚光を浴びることになる機動戦士ガンダム。

少し大人になってから見返してみると、本当にしっかりと戦争をしていて、子供のときにはストーリーの重さを、まったく理解できていなかったことに気づく。

(C)創通・サンライズ

同じ人間どうしが戦争をおこなう というリアリティさ。

ファーストガンダムの次作Ζガンダムでも、宇宙と地球の人間同士の戦いを描く。でも、ファーストガンダムほど戦争という言葉を連想できない。どちらかといえば、争い といった言葉がうかぶ。

そしてガンダム最新作「水星の魔女」。学園モノで百合要素もある全く新しいガンダム観をみせてくれた。確かに面白かった。

しかしファーストガンダム 昭和生まれリアル視聴世代のおじさんには、なにか物足りなくもあったガンダムだった。

ファーストガンダムの次回予告で最後に流れるナレーション。

「君は、生き延びることができるか?」

ファーストガンダムが単なるロボットアニメではないことを端的に表している名ナレーションだと思う。

さぁ、君もファーストガンダムを体験してみないか。

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matonako
昭和45年生。お仕事はEC系。 嫁、セキセイインコ、魚多数と暮らす。家が大好き。休日はインドア派。 ブログはもっぱら趣味のガンプラ作り、自転車、写真、カメラ、コーヒー、軽登山について。 最近気になるモノ:盆栽、ジャズ、アナログ・レコード、インテリア、ガンプラ